はじめに
はじめまして。
まず最初に、このブログを通じてあなたとつながりを持つことができたことを深く感謝します。
このブログでは私が25歳から現在まで20年以上、介護業界で働いてきた中で見てきたことや感じたことを包み隠さずお話ししていきます。
このブログでは匿名で書かせて頂きますが、ただ、匿名で書くかわりに全て本音で正直に書きます。
どうぞごゆっくりお読みください。
介護の仕事を始めたきっかけ
私は介護職として20年ほど働いてきました。
ですが、もともと介護の仕事に興味があった訳ではありません。
介護の仕事は、私みたいな人間ではなく、もっと「ちゃんした人」がやる仕事だと思っていましたからね。
そんな私がなぜ介護の仕事を始めたのか。
そのきっかけは「単なる思いつき」というか、「ピンときたから」。
本当にこれだけです。
毎日ただ何となくアルバイトをしながら生きていた25歳の時に、何か新しい世界を見たいと思って手にした求人雑誌。
そこに載っていたのが「身体障害者の介護」という記事だったんです。
「これだ!」と思いました。
なぜだか分かりませんが、見た瞬間「これしかない!」 と。
即決でしたね。
本当にその記事だけが目に飛び込んできたような感覚です。
何かに突き動かされるかのように、すぐ掲載してある訪問介護事業所に電話をしました。
「経験も資格もないけど是非働きたいです!」と。
全く何の経験も資格もないのにいきなり応募するなんて、かなり無茶なことをやったなあと、今でも思います。
でもその時は何とかなると思っていましたし、当時は何の経験も資格もなくても、役所に登録だけしておけば身体障害者のヘルパーとして働けました。
そして面接の翌日に採用の連絡をもらい、すぐに職場の近くへ引っ越したのです。
介護の仕事は全く知らないけど、勢いだけで飛び込んだ。
そんな感じでした。
不安からのスタート、そして失敗の連続。
さて、以上のように勢いで飛び込んだ介護の世界ですが、最初はやっぱり不安だらけでした。
そもそも私の周りに介護が必要な人がいなかったので、介護なんて全くイメージできません。
身体障害者ってどんな人達なの?
どのくらい体が動かないの?
コミュニケーションは普通に取れるの?
ちゃんと仕事できるかな・・・。
受け入れてもらえるかな・・・。
失敗したらどうしよう・・・。
そんな不安の中、訪問介護の仕事が始まった訳です。
訪問介護は最初の数回だけ先輩が同行してくれるのですが、その後は基本的に1人でやらなければなりません。
分からないことがあっても自分で何とかしなければならないので、とにかく仕事を覚えるのに必死でした。
先輩に言われたことをメモに取り、その日のうちに復習して覚える。
その繰り返しです。
ただ、ちゃんと覚えたつもりでも、いざ自分でやってみると上手くできないんですよね。
人がやっているのを見るのと、実際に自分でやるのは大違いですから。
教わった時と状況が違うなどということもよくありますし。
もちろん私も初めの頃は失敗の連続でした。
利用者さんの部屋で浴槽を組み立てて入浴介助を行おうとした時、部屋に大量のお湯をこぼして利用者さんのお母さんをびしょ濡れにしてしまったり。
車いすのタイヤに空気を入れすぎて、パァーン!と破裂させてしまったり。
高齢者の現場で、認知症のおじいさんに「クソの役にも立たないヤツがーっ!」と怒鳴られたこともありました。
あまりに失敗が多かったため、自分はこの仕事には向ていないんじゃないかと思った時期もありました。
覚えることが多すぎて、仕事に行く前に胃が痛くなったこともあります。
ですが、同じ失敗をしないように「今日はここに注意する」という目標を決めてやっていくうちに、少しずつ失敗も減り徐々に仕事に慣れていったのです。
3ヶ月、半年、1年、2年・・・
なんだかんだで気付けば20年です。
しんどいことや泣きたくなるようなこともたくさんありました。
改めて思い返すと、本当に20年もよく続けてこれたなと自分でも思います。
介護の仕事で一番大事なこととは?
その20年の中で、私が一番大事にしてきたことがあります。
あくまで「私が考える」介護の仕事で一番大事なことです。
介護職として働く上で大事なこと。
たくさんありますよね。
・信頼関係
・介護技術
・コミュニケーション
のような大きなテーマから、
・傾聴
・共感
・言葉遣い
・挨拶
・身だしなみ
・同僚との協力
・他業種との連携
・利用者の状態観察
・適切な業務記録
・過不足ない申し送り
など比較的細かいことまで。
それぞれを深掘りしていけば、まだまだたくさん出てくるはずです。
私も自分自身の経験を振り返ってみると、どれも大事だなと思います。
どれも大事だなんですけど、それでもやっぱり、これを外してはいけないというものが1つあります。
それは、
介護職員が元気でいること。
これです。
介護される側ではなく、介護する側。
まずは介護職員が元気でいることです。
これは本当に大事ですね。
当たり前のことですけど、介護というのは心身が不自由な人の生活をサポートすることです。
ですから、介護する側が元気でなければ、あれこれ動き回って家事や身体介護をすることはできません。
また、介護する側に気持ちのゆちりがなければ、色々な要望にきちんと対応することもできません。
仮に、あなたが介護が必要な状態になったと想像してみて下さい。
あなたは自分では体を動かせない。
だから誰かに介護を頼まなければならない。
そんな時に、介護する人が体調不良だったり精神的に疲れていたりしたら、安心して頼むことはできないのではないでしょうか?
介護者がすぐに腰が痛いと言い出したり。
風邪を引いてゲホゲホと咳をしていたり。
何か頼んでもイライラした様子で対応されたり。
こんな人に自分の介護を頼むことはできませんよね。
つまり、良い介護を行うには、まず介護職員が身体的にも精神的にも良い状態でなければなりません。
信頼関係も介護技術もコミュニケーションも、そこから先の話ですからね。
でも、実際には疲れている介護職員が多いんです。
入浴やトイレ、抱き抱えての移動で体を使い、認知症の高齢者の相手をするのに精神的に疲れ、おまけにスタッフ同士の人間関係にもうんざり。
夜勤や長時間労働も重なり毎日ヘトヘトになるのに、シフトが不規則だし、急な残業が入ることもあるので、十分な休息を取るヒマもない。
休日も仕事のことを考えてしまうし、正直やりがいも感じられなくなっている。
そのうえ、正社員になったり資格を取ったりしても低賃金で、ボーナスも出るかどうか分からない。
この先いつまで続けていいのか分からず、不安やむなしさ、孤独感を抱えている。
疲労、腰痛、睡眠不足。
ストレス、イライラ、プレッシャー。
それに加えてお金の問題。
身体的、精神的、経済的にギリギリの状態でやっている介護職員は少なくないはずです。
そして、介護する側の健康状態や精神状態は介護の質に大きく影響します。
私自身何度も経験がありますが、自分が疲れている時の介護って本当に苦痛なんですよね。
私の場合、疲れている時に何か頼まれると、体に何かがズシンと重くのしかかるような感覚でした。
そうすると動きが悪くなるし、細かい配慮もできなくなります。
全てが雑になってしまうのです。
当然、そんな状態では良い介護などできません。
その結果どうなるか。
介護の質の低下が、介護される側に返っていく訳です。
介護する側は身体的にも精神的にも疲れ、介護される側も良い介護が受けられない。
互いに辛い思いをすることになります。
そんな状況が続いて良い訳がありません。
だからこそ、です。
だからこそ、まずは介護職員が元気でいることが大事なんです。
介護される人のことを考えるのは介護の基本ですが、その基本よりももっと根本の部分で大事なことだと思います。
介護職員が元気で質の高い介護ができれば、利用者も辛い思いをしなくて済むはずですから。
そんなこと、実際の現場では理想論に過ぎないと思う人もいるかもしれません。
でも、私はかなり本気でそう考えています。
そのために今の私ができること。
それは、介護職として働くあなたが少しでも元気になるように応援することです。
悩んでいるのはあなただけじゃない
介護職として働くあなたを応援すると言っても、ただ単に「頑張れ!」など安易なことを言うつもりはありません。
私は以前サービス提供責任者をやっていたことがあるんですけど、責任者になるとスタッフの相談を聞く機会も多くなります。
介護職員の抱える悩みは本当に切実で、簡単に解決できないような難問が山ほどあります。
そんな悩みを抱えているスタッフに「頑張れ」なんて言ったところで何の解決にもなりません。
「頑張れ」の代わりに私が言っていたのは「悩んでいるのは君だけじゃないよ」という言葉。
色々な悩みを聞く中で分かったのは、同じようなことで悩んでいるスタッフが多いということ。
そして、こんなことで悩んでいるのは自分だけだと思っているスタッフが多いということです。
同じような場面に出くわすと、たいていみんな同じ悩みを抱えます。
そんな時に相談する相手がいればいいんですけど、相談相手がいなければ自分ひとりで悩むことになってしまうのです。
そこで
「悩んでいるのは君だけではないよ」
「実は他の人もみんな同じように悩んでいる」
「みんな手探りしながらやっているんだよ」
と教えてあげると
「それが分かっただけでも少し気持ちが軽くなりました」
と言われたことが何度もあります。
悩んでいるのは自分だけじゃない。
他の人も同じように悩んでいる。
みんな手探りでやっている。
だから、あなただけがそこまで深刻に考え過ぎる必要はないんだよ、と。
もちろん相談を受けた悩みを全て解決できた訳ではありません。
むしろ解決できなかったことの方が多いです。
しかし、悩みを共有することで少しでも気持ちが軽くなるのなら、相談に乗った意味もあったのではないかと思っています。
あなたを応援しています!
このブログを立ち上げた理由は、以上のような私の経歴と深く関係しています。
私自身、介護職として色々悩みながら仕事を続けてきましたし、またサービス提供責任者として色々な悩みも聞いてきました。
先ほども書きましたが、同じような仕事をしていると、同じような悩みを抱える介護職員が多いんです。
ですから、自分自身が悩んできたことや他のスタッフから相談を受けたことを、このブログでシェアすることで「悩んでいるのはあなただけではない」ということを知って頂きたいのです。
そのために、私がこれまで20年働いてきた中で見てきたことや感じたことを全て書いていきます。
大きな声では言えないようなことも、包み隠さずに話していきます。
あなたの悩みを解決するヒントがここで1つでも見つかれば嬉しいです。
あなたが身体的、精神的、経済的に少しでもゆとりを持てるよう応援しています!